▼職員求人座談会
三重県鈴鹿市
グループホーム「北さんち」
上原:在職5年
石井:在職4年半
北 :在職13年、介護経験23年
夜更かしして11時くらいに起き出してくる人も
上原 私は北さんちに来る前の5年間、50人の入居者がいる特別養護老人ホームに勤務していました。
そこから比べると、 利用者さんと職員の距離をすぐに縮めやすいのが、北さんちの特徴だと思います。大きな施設だと、どうしても介護が流れ作業的になってしまいます。お話もなかなかできないですしね。
北 ここだと、みんなが一緒のことをやらなくていいからね。
石井 大きい施設だと、おむつ交換の時間になったら、一斉にやりますからね。ところが北さんちは、起床時間もまちまちですから。
上原 「起きたくない」という人は起きないし。夜更かしして11時くらいに起き出してくる人もいます。
石井 早い人は4時くらいだし。みんな勝手なことをしてるんです。
北 利用者さんの人数が少ないからできることだよね。
石井 施設全体の人が、「それでいい」と思ってますし。
北 それで、誰も困ってないから(笑)。
認知症の人の行動には必ず理由がある
上原 ほったらかしにされる時間がほとんどないので、利用者さんも安心していられるんだと思います。ちょっと何か不安を感じた時に、職員の人に話を聞いてもらえますから。
そこで無視されてしまうと、問題行動に走る人もいるんです。
石井 見当識障害というのですが、「あれ、なぜ私ここにいるんだろう、ここはどこ? あたしここにいていいのかな?」という不安を感じた時に、ちゃんと職員の人が話を聞いてあげれば違ってきます。
夕方になったら衣類を整理し始めて、「家に帰らないと」と言い出す利用者さんには、「そうよね、でも今ご飯の用意をしてるから、それを食べてから帰れば?」と申し上げれば納得してもらえます。
つまり、認知症の人は、たんに発作的に叫んだり、ぼーっとしたりしているわけではなくて、行動には必ずそうする理由があるんです。一緒にずっといれば、「この人は大体このくらいの時間にそういうことを言い出すな」ということも分かりますし。
そういう「寄り添うケア」をやってるんです。
上原 利用者さんが何かキョロキョロしはじめたり、職員のところに寄って来られる時は、何かを訴えたい時ですよね。
石井 トイレに何度も立つというケースもあります。自分が何をして良いのかわからないときは、じっと座っていると不安になるんですね。
そういう時は、洗濯物を一緒にたたんだりすると、「これをやらないといけないんだ」という目的が見えてきて、気持ちが落ち着かれます。
「日常」を取り戻せば、不安は消える
上原 手伝ってもらった後、「助かりました」と感謝すると、すごく喜ばれますね。
石井 生き生きされますよ。「私なんかが役に立って」と言われますね。「ちゃんとみんなの役に立っていて、必要とされていて、自分はここにいていいんだ」という気持ちですね。
北 つまりそれが「日常」なんですよ。
日常生活の中には、どうでもいいような役割がたくさんあります。それを忘れてしまうと人は不安になるんです。
ですからその役割を見つけるのを手伝ってあげると、不安感は解消されるんです。
石井 ボタンを自分で締めるのは、とっても時間がかかるかもしれませんが、それは残存機能を保つためではなくて、ボタンを締めた後に我々職員が「よくできましたね」と一緒に喜んであげれば、「自分もできるんだ」と…。
北 それがその人の前頭葉に働きかけるんです。
認知症は医学的には治らないかもしれませんが、私たちが手を差し伸べることによって、周りから見れば奇妙に思えることをしていたとしても、その人にとってはその人らしい生き方を続けることができるんです。
介護職員の「やりがい」とは
上原 職員としても、朝、声かけをして、「おはよう」という発語がうまくいったときなんかは、小さなことですが、やりがいを感じますね。
石井 その積み重ねで、要介護4の人が要介護3になったりという、目に見える成果もあります。
北 我々介護している側は、利用者さんに期待感を持ってるんですね。だから目標を達成したときは、すごく達成感を感じます。
石井 チームで、たくさん記録をとりながら取り組んでますからね。
上原 夏祭りの時に、浴衣の着付けのボランティアの方に来ていただいたのですが、要介護5で立ち上がるのも大変な方にご自分の浴衣を着ていただいて、ご家族の方にもとても喜んでいただけたのがうれしかったです。
石井 長くこちらにいらっしゃって、98歳でお亡くなりになった方のお葬式にうかがった時に、ここで過ごしていたときのお写真を祭壇にたくさん飾っていただいて、最後に喪主の方に「とりわけ北さんちの職員の方にはよくしていただきました。本人もとても幸せだったと言っていました」とおっしゃっていただいたときには……今思い出しても涙が出てきます。
確かに終末期の方の場合は、食事の時間や量、入力方法などについて、職員がご家族の方とものすごく綿密にお話しさせていただくんです。ご家族の揺れ動くお気持ちにも寄り添うようにしています。
そういうふうにご家族から言っていただける介護は、とてもやりがいがあると思います。
北 ご家族の方には、必ずそう言っていただけますね。
利用者の背後にいらっしゃるご家族のケアをするというのは、社会福祉の援助技術としては必須のことです。
石井 職員がご家族に信頼していただかなければ、介護は成り立たないですからね。
「一緒になって楽しめるタイプの人」求む
上原 あとはやっぱり、笑顔の大切さですね。利用者さんの中で、職員の顔色を伺うような方もいらっしゃるんです。そんな時には、説明はいりません。笑顔で接してあげることで、「私のためになることをしてくれてるんだ」とわかりますね。
石井 私たちが余裕がなくてバタバタして、怖い顔をしていると、軽度の認知症の方でも不安になりますから。
北 認知症になっても、美しいとか楽しいといった感覚的な部分はほとんど残っていますからね。感情は変わらないんです。
そこを大切にした日常を送れれば、うまくいくわけです。
上原 だから、新しく入ってくる職員の人も、利用者さんと一緒になって楽しめるタイプの人がいいと思いますよ。
石井 レクリエーションの時は、私たちも本気になって遊んでますからね(笑)。
認知症の人も普通の人とまったく同じなんです。
北 そこですよ。利用者さんの人格を尊重し、相手と同じ目線に立つというのを、無意識にできる人がありがたいです。
北さんちにはマニュアルがない
上原 あと、私がいた特別養護老人ホームにはマニュアルがあったのですが、北さんちにはマニュアルがないですよね。
北 ないですよ。
上原 マニュアルがあれば、「何時までにこの仕事をすればよいんだ」ということで、マニュアル優先になっちゃうんです。そうすると、利用者さんが何か言ってても、後回しにしちゃうんですね。
そうすると利用者さんは傷ついてしまいます。
石井 ここでは、一日の流れや、記録の書き方などの基本ルールはありますが、介護の方法は決まっていませんから。その人その人に合わせて介護を行い、必要なことはカンファレンスで共有していくんです。
「今、この利用者さんにやるべきことはこれだ」ということが優先されるべきですよね。利用者本位の中に答えがあるんです。
北 職員みんながそのようにして、よいところを出し合って連携していくことで、ここでは理想的な介護が追求できていると思いますよ。
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