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認知症の介護、予防を中心テーマとした講演・研修

認知症介護・予防講演・研修
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認知症予防・介護教室 レジュメ

 この講座は鈴鹿市の委託を受けて実施されたものです。 各回とも事例をとおして認知症を理解し予防と介護方法を考えようとするものです。
 実際に認知症高齢者を抱える家族の負担を軽減し、進行を遅らせ、問題状況を除去し、在宅での生活の可能性を探ります。  また、高齢者を抱える家族や本人にとっても認知症を理解する機会にしたいとおもいます。

第一回 3. 認知症もいろいろあります

認知症に似て認知症じゃない
アクティビティケアによる生活改善を図る

 この教室も第三回を迎えました。今回が一つの区切りです。そして次回からは少し違う段落に入っていきます。

はじめに・・・前回・前々回を振り返って

 これまでの話は、介護職として認知症をどう捉えるか、、、と言うことでした。

 「認知症」 と単なる 「呆け(ぼけ)」 を区別する。 しかし、呆けも放って置くと認知症になっていく。だから早期に手を打つ必要がある。  認知症や呆け、は記憶障害が出てきて、先ず家族が気付く。でも、記憶の再生(思い出すこと)が出来るのは認知症じゃないんですね。

 そして、 「ご飯を食べてない!」 と言われて、 「食べたじゃない!」 と認知症の人を説得しても無理ですよ、、、と言う話をしてきたんです。

 あと、IADLのADLは日常生活動作で、Iは道具、、、だからIADLは手段的ADLであり、介護において 「この認知症の人は、何が出来るのか」 と言う観点から必要になってくる、、、と、説明しました。

 今回はその話をもう少し進めます。

認知症らしいということ

 認知症に似て認知症ではない場合があるんです。これは、資料の最後(うつ病とせん妄)に付けましたが、施設を開設している精神科のお医者さんのホームページから取った物です。参考にしてください。

1.高齢期のうつ病の特徴

①自発性低下が著しい・・・失禁となる。

 これは家族に言わせると「呆けてきた」となりますが、お医者さんに診てもらえば改善できます。

②イライラし、じっとしていられず、落ち着かない。

 この辺は徐々に出てくるんですね。

③妄想が出る。奇妙な行動をとる。

 これは急激に出てきます。

 仕事をやめてしばらく家にいた人が、ある日突然、部屋の模様替えを始めるんです。家族は「どうして突然そんなことをするの?止めてください!」と制止します。すると感情的表現が出ます。あるいは、お客さんなんか来ていないのに、「客は何処へ行った!」と探し始める。そんなときは早期にお医者さんに相談してください。

 まず、受診ですが、本人は行きたがらないのを、何とか騙して連れて行く。此処で家族との信頼関係がないと厳しいですね。しかしお医者さんの前ではおとなしいので、受診のみで帰ってくる。家に帰ってくると同じ事を繰り返すので、困り果てて私のところへ相談に来るんです。

 そんな時、私は「問題行為をメモして」と家族に言うんです、しかし、普段やりなれないことですから難しい。結局、私がメモをしてお医者さんに届けるんです。すると、お医者さんの対応が変わります。問題行動が把握できたから、適切な処置をしてくれるんです。

せん妄

①幻覚(幻視)、錯覚、不安、興奮

 家族とのトラブルがでてきます。これも早期にお医者さんの受診が望ましいですね。

②発生が急で、夜間にひどくなる

 これはいわゆる「夜間せん妄」ですね。

 1~2週間ぐらいで、ひどくなってきます。夜、電気をつけて騒ぎ出すので、家族が夜眠れない。それで「どうしよう?」と相談にきた方がいました。どうしたらいいか、、、家族は介護疲れで入院してしまってます。幻覚があるから見えないものが見える。

 家族には見えないから「見える、、、いや、見えない」の水掛け論になってしまっている。そして、そんな状態だから、本来の症状以外の症状も出てきている。

 果たしてやれるんだろうかと思いながら、引き受けてみました。

 荷物を運び込み、初日は「赤ん坊が部屋にいる」と言って部屋に入りません。職員が説得してもききません。そこで、好きにさせてみました。すると廊下で寝るんですね。冬場でしたので風邪を引かないように、一晩中暖房をつけました。

 3日めまでは廊下で寝ましたが、4日目から部屋で寝るようになりました。今、その人は普通に生活しています。幻視が無くなったわけでは無いんですが、生活上問題がなくなりました。問題(幻視)は有るんですが、日常生活に問題がなくなったのです。

高齢者の特徴

心身の特徴と日常生活における悪循環

 私の目から見た高齢者はどんな人なんでしょう?

 人は大人になる段階でいろんな物を身に付けていくんです。成人して仕事を身に付け、家庭を持って家族を身につけるんです。身に付けるとは、関係を持つと言うことですね。そして社会人として、家族の一員としての役割を持つんです。

 ところが年を取ると、会社を辞めて社会性も薄くなり、長生きして家族や友人を失い同時に役割も無くしていくんです。

 そこで問題なのは、「お年よりとは、こういうものだ」と決め付ける価値観ですね。よく施設などで、お年寄りを「あの人は頑固だ」とか、「あの人は我侭だ」とか言いますが、本当は我々も同じぐらい頑固なんです。ただ、若いうちはそれ以外のものが付いているので頑固なところが見えないだけなんです。それを、決り文句で決め付けているだけなんです。

 「女の癖に」とか「子供の癖に」と、決め付けるのと同じですね。

 我々はいろんな事を経験することが出来ます。でも、老いは経験できません。30歳、40歳という節目で少しずつ感じていく物なのです。そして日本人は、年を取ると自分を出さなくなっていきます。周囲の価値観がそうさせるのです。「年寄りの癖に、、、」と。

   その結果、「自分を出さない生き方」と「周囲との関係」が悪循環をたどり、最後には死んでいくのです。人は家族と暮らすのが理想であり、それが出来ないから施設があるんです。施設は最後の手段なんです。

 ただ、認知症介護は家族だけでは限界があります。しかし、それさえも早期発見、早期対処でホームヘルプやデイサービスを使うことで、家族と暮らしていけるんです。 

 大切なのは、「家族の対応」で痴呆は違ってくるという事です。ある方は、5分前の事さえ覚えていません。5分おきに犬の散歩に行くんですね。おかしいと感じた家族は、すぐ対応して、「北さん家」のデイサービスを利用しました。

 もちろんデイサービスに来ると、その人は5分おきに外に出ます。職員はそれを追いかける。それを毎日繰り返してみました。今でも相変わらず外に出ますが、ちゃんと此処に帰ってくるようになりました。

 今では、ここに来るのが日課になっていて、家に帰ると犬の散歩を済ませ、普通に生活しています。そうやって、上手に老いて上手に呆けると、時間と共に身体機能も落ちていって家族と共に最後を迎えることが出来るんです。

ライフサイクルの最終段階

QOLを考える

 生活手段としては、今まで使ってきた物を使って生活することです。洗濯が出来なくなってきても「任せられないわ」と言って取り上げてしまうのではなく、一緒に洗濯をする。時間がかかることを我慢して、相手に合わせるんです。

 エリクソンというアメリカの社会学者がこう言っています。

 人は生まれて、成人し、中年になり、老年に至る。その最後のステージで介護がかかわってくる。

 0歳 → 30歳 → 60歳 →90歳 という人生において、定年(60歳)から30年間、特に最後の10年は自分の力では生きられない。だから、ライフサイクルの最終段階をどう生きるか、今のうちから考えておく必要がある、、、と。

 日本人は先のことを考えず、若いときはただがむしゃらに働く。そして働かなくなると、呆けてしまう。では、一生懸命働いてきてボケてしまった人に責任が有るのでしょうか?

 機能主義という考えがあります。

 私の世代は、おもちゃはブリキでしたが、今はプラスチックですね。錆びないし、壊れにくい。機能優先にした結果なんです。そして、役に立たなくなった物は捨てていく、、、これが機能主義ですね。

 私はよく言うんです。「あなた達が、自分の親にしてきたことは、必ず子どもにされる」、、、ちょっと怖いですね。(笑)

 「死」は受け継がれるんです。みんな、そう思ってないみたいですが、、、

 北さん家では、「代理家族」を目指していますが、お年よりの心の中にはやっぱり家族がいるんですね。その辺をどうするか、考えていかなくてはならないでしょう。

 QOLとは、医療が進歩し(抗生物質などのおかげで)医者が死と戦えるようになってきて、「命の質」が問われだして生まれてきた言葉です。全身に管を付けた、スパゲッティイ症候群、、、ですか、、、どう思います?

 このQOLが、福祉にも広がってきています。障害福祉や医療からの問いかけが、老人福祉に反映されているんです。老人福祉独自のものは、ここ30年ほど何も出て無いんですね。

 QOLの話をしたら、ある老人ホームで、寝たきりの人はどうなんだと、、、。言葉もわからない、つねっても叩いても反応が無い。そんな人はどうするんだと聞かれました。

 私は「その人が元気だった頃の事を、家族に聞いてみなさい」と、その職員に言いました。するとその人は、音楽が好きだったと解ったんです。そこでさっそく、食事(経管栄養)のときに、その人の好きな音楽を流してみたんですね。食事のたびにです。するとあるとき、その人が一筋の涙を流したんです。音楽によるものかどうかは、解らないですが、、、。

 今、私達の「生活の質」を考えてみましょう。普段、私達は「あれがしたい、これもしたい」という欲求に振り回されて、生活の質を考える余裕が無いのではないでしょうか?自分の生活が見えないのに、他人が見えるはずは無いですよね。

 介護のレベルは意外なところで解るんです。ベッドと壁のすきまを見てみるんです。ある施設で、ベッドと壁の間の布団をめくってみると埃がたまっている。そんな時は、職員に「あなた、自分のベッドもこうなんですか?」と聞いてみるんです。ベッドの埃は感染症の危険をはらんでいるですよ、、、と。。。

  昔、まだパソコン通信の時代の事ですが、「高齢者」と検索すると色々なニュースが出てくる。

 なかに、社会福祉協議会のヘルパーさんが「おばあちゃんがおかしいから来てくれ」と依頼を受けて行ってみると、悪臭が充満する部屋で、何時洗濯したかわからないようなシーツに包まって虫の息のおばあちゃんを見つけた。すぐに病院に運んだが、その日のうちに亡くなった、、、という記事が出ていました。

 これは、家族だけの責任ではないんですね。そして、その人の生活の質を問い直す必要がある。そのおばあちゃんの姿は、将来の自分の姿でも有るんですから。

アクティビティ(activity: 活動, 活躍; 活気, 活況; 能動性)とは・・・心身の活性化・生活の活性化


 アクティビティは生活の中に沢山あるんです。軽井沢アクティビティ、、、とか。介護の世界では、心身・生活の活性化を指します。

 デイサービスなどで物を作ったりするアクティビティは、日常生活が出来るようにIADLを維持する事を目的としているんです。

 そして心身の活性化を図るには、・痴呆を理解する・各人を知る・順応ができる・環境を整える・コミニュケーションの能力をつける(これが一番難しい)、、、ことが原則なんです。

1.用語の多様性・・・作業療法からレクリエーションまで

 私達は医療の専門家ではありませんが、アクティビティによって問題行動を小さくする事が出来るんです。そして、今もっている機能の維持が出来るんですね。

 アクティビティとは何でしょう?

 人によっては「道具を使って生活する動作全般」を、指すのではないでしょうか?また、作業療法(=園芸療法、音楽療法etc.)などを全て含めてもいいと思います。ただ、・痴呆を理解する・各人を知る・順応ができる・環境を整える・コミニュケーションの能力をつけるといった原則をわきまえる必要があると思います。

2.アクティビティ・サービス、アクティビティ・ワーク

 これらについては、以下の書籍を参考してください。

   アクティビティ・サービス総論、中央法規出版

   痴呆性高齢者のユースフル アクティビティ、三輪書店

アクティビティ・サービスの利用

1.日本人と欧米人

 欧米の福祉は日本とは生活パターンが違う為、あまり合いませんね。

 日本では本人が望む、望まないに関わらず決められたサービスをこなす福祉なんです。施設のデイサービスなどは、30人からの利用者が手に手を取ってチイチイパッパしている。でも、こんなことで利用者は喜んでいるのでしょうか?現実は、サービスに合わせて自らを順応させさせざる終えない。そして本音を言わない。

 家に帰ると「今日はデイサービス楽しかったわ!」と言っていた人が、たまに孫が遊びに来ると「つまらないのよねー、、、」と、文句を言う。

 施設職員は職員で、勝手にこれでいいと仕事に充実感を持つ。そして仕事はマンネリになり、ネタが尽きる。それは、一人一人に合わせない施設のやり方には、限界があるからなんです。

日本人と欧米人には生活習慣に違いがあるんです。

 例えばドイツなどでは、日曜日はみんな教会に行くんです。そこでは子供と老人が話をする。教会の隣では、教会帰りのお年寄りが皆と一緒にビールを飲んでいる。世代を超えたコミニュケーションがあるんですね。

 かたや日本では、会社に勤めれば会社の人間関係しかない。飲みに行っても会社を引きずっているので「課長、、、」となる。

 欧米では個人社会ですから、週末のパーティに呼ばれていっても色々な職業や世代の人たちがいる。だから彼らは定年になっても周囲に知り合いがいるんです。そして、こういう土壌だからこそ、福祉が発達するんですね。

 どういう老後を過ごすかですが、「濡れ落ち葉」ってご存知ですか?定年になった夫が妻にべったり張り付く、、、、からそう呼ばれるとか。定年になって、する事が無いんですね。

 マージャンやパチンコは呆けないが、盆栽やつりは呆け易いって、ご存知でしたか? (笑)

 あと、緊張する職業の人は定年後、呆け易いそうです。学校の先生とか警察官などですね。10年母親の介護をしていて、母親が亡くなったとたんに呆けたお嫁さんもいます。

2.日常生活を振り返って

 私たちは日常生活で、今何ができるかを考えていかなければならないんです。

   60歳過ぎて、連れ合い共々外出できない状態になる。その時、家族と何をするのかを。

 ある老人ホームに、家もあるし家族もいる、、、おばあちゃんが入ってきました。
 なぜかと言うと、お孫さんが受験で、「おばあちゃんと一緒に食事をするのがいや」、、、と言われ、おばあちゃんが身を引いたそうです。
 つまりここで、「孫とおばあちゃんは必ずうまくいく」という図式はないんです。じゃあ、家族と何をするか?

 はっきりとした答えは出ませんが、そこで必要になってくるのが「社会資源を利用する」ことではないでしょうか? 自分達の周りにどういう社会資源があるのか、アクティビティは何か、、、を知る必要があるんです。

 今のうちに、趣味や人間関係を日ごろから維持していかないと、本来したいことができなくなります。

 老後、家にいて、施設のデイサービスみたいにチイチイパッパするのかというと、、、しませんよね。だから今のうちにできる事を作っておくんです。

3.デイサービス、デイケアの利用

 これらサービスで大切なのは介護技術です。介護技術のなかでも大切なのがコミニュケーション技術です。認知症の人とコミニュケーションを取るには、認知症を理解していないといけませんから。

おわりに


 最後に、介護する上で守らなければならない事を、すこし言いましょう。


介護者は自分のこだわりを捨てて、相手に焦点を合わせること


介護者自身が変わらなければ、介護はできない

 介護する家族や職員が自分にこだわっている場合は、痴呆の人を理解できないんです。理解出来ないとコミニュケーションが取れないので人間関係も築けず、アクティビティができないんです。一人一人の生活の質を問い直して、何が出来るか、、、なんです。

 そして自分がしている事は、将来子供にもされる、、、と自分に言い聞かせないと認知症介護は難しいんです。

 一人一人が活性化を図ることを目的として、何ができるかを考え、今、していかなければならないんです。


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