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認知症の介護、予防を中心テーマとした講演・研修

認知症介護・予防講演・研修
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認知症予防・介護教室 レジュメ

 この講座は鈴鹿市の委託を受けて実施されたものです。 各回とも事例をとおして認知症を理解し予防と介護方法を考えようとするものです。
 実際に認知症高齢者を抱える家族の負担を軽減し、進行を遅らせ、問題状況を除去し、在宅での生活の可能性を探ります。  また、高齢者を抱える家族や本人にとっても認知症を理解する機会にしたいとおもいます。

第一回 1. 認知症は恐くない

認知症の症状と問題行動のとらえ方
間違っていませんか認知症の捕らえ方

認知症は恐くないと言いましたが、実は認知症は恐いんです。だから、恐くならないようにお話をしましょう!

はじめに

1.認知症の症状・問題行動は様々

 認知症の方が百人いれば、百通りの認知症があるんです。

 例えば「徘徊」という同じ行動にも、それぞれ違った理由があるんです。逆に言うと、認知症の方はそれぞれに何らかの想いがあり、それが徘徊となって現れてくるんですね、、、大切なのは、人は一人一人違うという発想なんです。

2.人間は一人一人違う

 たとえば、学生時代のことを思い出して見てください。

 学校は学生を「みんな同じ」にしようとするでしょう?

 でも、教育の理想は個性を尊重した教育ですよね。だから、画一的に扱われると不満が出るんです。

 その時の気持ちを思い出してください。

3.家族には家族の歴史がある

認知症介護・予防講演・研修 「徘徊」と言う問題には、先ず家族が関わります。そこで、我々はうかつには関われないんです。

 なぜなら彼らには家族としての想いがあり、それを理解していない人間が介入しても問題が解決しないからです。

 たとえば、ある三人姉妹の母親を、長女が引き取って面倒を看ていました。

 しかし、介護疲れから、とうとう母親を施設に入れました。それを知った次女は「お母さんをこんな施設に入れるなんて!」と長女を責め立てます。

 しかし介護の苦しみは、関わった者にしか分からないものです。そしてこのような姉妹の関係が、先ほど述べた「家族の歴史」なんです。

 我々介護の専門家は、利用者さんが一人一人違うことを受け入れ、介護する立場をわきまえなければなりません。決して、評論家になってはならないのです。

4.認知症介護の基本は「個別化と受容」

 1985年のスウェーデンである精神科の先生が、精神病院に入院している認知症患者の介護を何とかしようとして、二千平米ぐらいの土地に建物を建て、「薬を使わない」生活を始めました。

 最初は各方面から非難されたそうです。しかし入所者の病状が回復してきたのです。中には暴力行為のある男性もいましたが、そこで生活を始めたとたん暴力を振るわなくなったのです。

 それから十数年の年月を経て、その考え方が世界的に広まり、現在のグループホーム(GH)が誕生してきたのです。

 認知症は病気ですが、グループホームは病院ではないんです。

もの忘れは認知症のはじまりか

1.「もの忘れ」の一般的定義

 たとえば朝ご飯、「ほら、今朝はあじの干物を食べたでしょ」と言われて「あーそうだったね」と思い出すのは物忘れです。

 記憶の再生ができるか、できれば老化による物忘れなんです。

 しかし最近、老化は認知症の始まりかも、、、という考えが出てきています。一昔前のように、認知症になる前に人生を終えていた時代と違い高齢化社会と言われる現代では、もの忘れをほっておいてはいけない。

 もの忘れと認知症の境目は、有って無いようなものと言われています。

2.もの忘れは認知症の前兆

 認知症は短期記憶障害から始まります。

 私も以前「もしかして認知症かも?」と思って脳ドックに入ったことがあります。脳の血管などが三次元的に見れるんですね、今は。  それに加えて、いろいろなテストがあるんです。

 単語をいくつか言われ、何分後かにいくつ覚えているのか、とか、物語を聞かされて、数分後に「物語には何人の子供が登場したでしょう?」とか聞かれるんです。

 テストを受けているときは必死ですよね、、、成績が悪いと「あなたは痴呆です」なんて言われるかもしれないんですから。

 結果問題はなかったんですが、「異常なし」と言われてそれまで鬱々とした気分が、楽になりました。

 我々介護職は常に「自分はもしかして認知症になってきたのかも、、、」と言う想いを持っているのかもしれませんね。(笑)

 ここで大切なのは、初期で「認知症」と診断されれば、早い段階で対処できると言うことなんです。

 一般的には、親の認知症をかくして(世間体がわるいから?)家族で介護し、手におえなくなって始めて専門家に助けを求めるものですから、手後れの人が非常に多い。

 初期に専門家にかかれば、認知症の進行をかなり遅らせることができるんです。

 65歳の認知症の方を55歳ぐらいのお嫁さんが介護する。

 認知症初期で適切に対応すれば、10年後、75歳になった人を65歳のお嫁さんが介護できます。しかし、認知症を放置して悪化させてしまった場合、65歳の人には介護できなくなってしまう。つまり手後れになってしまう、この辺を考える必要が有るんですね。

問題行動への対応

1.問題行動の様々

 徘徊を例に取ります。老人ホームの廊下は、突き当たりの無い回廊式になってます。ある施設の職員に言わせると「これは調子良いですよ。徘徊する人は数時間突き当たりの無い廊下を歩いて、夜は疲れてよるよく寝ますから。」などと聞いたことが有ります。これは建物の構造による対症療法に過ぎないんです。

 何でも食べてしまう人、、、「異食」なんかでは、サンポール(トイレ掃除用洗剤)を食べてしまう。当然命に関わる問題ですから医者へ無理矢理連れていって胃洗浄です。こんな人にはどう対処すれば良いでしょうか?

 問題行動には人それぞれ違う理由が有るんです。その理由を見極めて対処しないといけないんです。

 昔私がいた施設でのことなんですが、玄関にお花が飾ってある。でも、毎日いつのまにか無くなってしまうんです。ある時職員がその原因を見つけて報告に来ました。

「先生、あのお花、認知症のKさんが毎朝食べてるんです。」

私が朝早く、そぅーと玄関で見てますとKさんが来て、玄関のお花をムシャムシャ食べている!

どうしようか?

そこで考えました。「花を食べてもおいしいはずが無い 」、、、と。

あくる朝、Kさんがいつものようにお花をムシャムシャ食べているところへ行って、「Kさん、おいしいですか?」と聞いてみました。すると、ペーーと吐き出して「おいしいはずが無いじゃない!」と言い、それからは花を食べなくなったんです。

2.対症療法は通じない

 対処療法って何でしょう?たとえば病気になって熱がでる。解熱剤を飲ませる。熱が下がる。しかし、原因が解決していないから今度いつ熱が出るか分からない。。。これが対症療法です。

 暴力行為のある人を薬でおとなしくさせていた。その人がグループホームに入ったら、暴力行為が無くなった。これは行動を抑制されるという環境因子が、暴力行為となって現れていたわけで、暴力行為が消失したのは環境(原因)が変わった結果であり、これが原因療法です。

 原因療法の特徴は、一つの問題行動に一つのやり方で対処しないことなんです。

 徘徊する人の部屋に鍵をかけると、問題行動はひろがっていく。それは、認知症になると、なぜ鍵がかかっているかを考えず、部屋から出たいのに出れない、、、と感情的になる。結果、暴力行為に走り、それを薬で抑制する(眠らせる)。これではいけないんです。

3.介護する側の心得(焦らない・急がない・一呼吸置く・とにかく耳を傾ける・言葉を返す・・・)

 認知症の人は知性が破壊されるが、感情はまるまる残っています。だから、買い物に行きたいと思い、買い物をするけれど、お釣の計算(知的活動)ができないんです。だから、対応が大切になってくるんです。

4.対応を間違えない

 環境を変えることで問題行動は改善されるんです。

 ここで大切なのは、せっかちな人はダメということです認知症の人が感情的になってワーっと言って来た時、一呼吸置くんです。すぐに言葉を返さない。ワーっと怒っている時は、怒ることで感情を整理しているんです。だからそこで一呼吸おいて言葉を返すんです。じゃあどんな言葉を返せば良いんでしょう。

 個別化と受容が必要なんです。対応を間違えると認知症は悪化しますから。1+1=3だーーー!と言われて、むりに、「2ですよ!」と言うと「なんで?!!」と感情が先に立ってきて混乱してしまうんです。とにかく、怒らない、言い返さない、、、です。

5.認知症介護に原則はない

 認知症は一人一人違うんです。ですから、「この人に成功した方法だから、他の人に通用するとは限らない。」なんです。 そして、もし同じことをして成功したなら、それは無理矢理押し切ったに過ぎない、、、と、考えるべきです。

 だから考える。この人がどうしてこんな行動をとるのか、、、対して、経験を積むということは、物を考える思考を省略するということで進歩しない。だんだんアホになっていくんです。

人間には知性と感情の両面がある

1.理屈は通じない

 認知症の方には理屈が通じないため、理屈を追求してはいけないんです。たとえば、「あなたに、千円預けたじゃない!」と言われた時、どう対処すればいいか考えて見てください。理屈では、「預かってませんよ!」に、なるんですが、、、

2.感情的な働きかけ

 理屈を追求しないためには、感情に訴えかけるんですね。「千円、預かりましたか?」と問い掛ける。これは、感情の内容を問い掛けているんです。感情的な働きかけ、、、とも言えます。

3.介護する人間の価値観を捨てる(こだわりを捨てる)

 どうして、介護する側が価値観を捨てる必要があるのか? それは価値観を捨てないと、相手が見えないからなんです。

4.認知症の方に焦点を合わせる

 ある徘徊をする人の話ですが、彼が外へ出ると職員が必ず付き添う。追いかけるんです。それでも年に何回かは、警察のお世話になる。迷子ですね。それを2年間、毎日繰り返したんです。

 ところがある時、その方がテニスをされていたと聞いたので、「テニスをしませんか?」と誘ってみました。すると驚いたことに、テニスコートに入ったとたん「フィフティラブ、サーティラブ、、、」と数え出したのです。加えてテニスの腕はプロ並みで、それからは毎日、職員が施設のテニスコートでお付き合いをするようになったんです。

 夜もぐっすり寝てくれました。

5.認知症の方には独特の世界観・論理構造がある

 自分自身のこだわりを捨てることで、認知症の方の世界観や論理構造を洞察できるものです。それができて初めて認知症介護になるのです。

認知症予防・・・認知症予測は可能か


 認知症は大きく分けると、脳血管障害型とアルツハイマー型に分けられます。

 脳血管障害型は、脳の血管がやられて脳細胞に血流が供給されなくなるために起こります。記憶障害と言語障害がメインで、あまり問題が有りません。また、血管の病気なので医学的な予防や治療もでき、減少傾向にあります。

 かたやアルツハイマー型認知症は、高齢化によって増加傾向にあるんです。

 ある時、アルミニュウム説を聞いたんです。アルミニュウムがアルツハイマー型認知症を悪化させる説です。それから私は缶ビールは一切飲まなくなりました。でも、ご安心ください。今では関係ないと言われていますから。(笑)

1.認知症であることの自覚・・・初期の段階ではゆっくり話し合う

 認知症はほかの病気と一緒で早期発見、早期治療につきるんです。

 早期発見にとって一番大切なのは、気軽に相談できる環境を作ることです。相談することでかなり防げます。早期治療は自覚することですね。本人と家族が自覚することで、進行を押さえて上手に呆けることができるんです。

 上手に呆けるってことは、家族と問題をおこさずに生活していくことに他なりません。

2.放置が危険・・・もの忘れは馬鹿にできない

 じゃあ、認知症に気づかないとどうなるんでしょう?それは、極端な問題行動になって現れてくるんです。

 私の知っている方で、半年で廃人になってしまった人がいます。その方も最初、外からでは分かりませんでした。言葉が無くなってきて、これは認知症じゃないか?、、、と。認知症の進行が早い時は、一週間単位で悪化していきます。

 先週はできたことが、今週はできなくなるんです。だから、いかに早く対応するかが勝負になります。

3.困った問題は認知症を進行させる・・・手後れの原因

 認知症はどんな時進行するか?それは「現実」とぶつかった時なんです。

 少し呆けてきて、変なことをする。すると家族に怒鳴られる。この家族に怒鳴られることが「現実」とぶつかった時なんです。そして認知症が進み、家族の手に負えなくなってしまって、緊急入所(=手後れ)の形を取らざる終えなくなってしまうんです。

おわりに

1.私たちは幸せになりたい・・・自己決定権という基本的人権

 ある認知症病棟に見学に行くと、部屋のなかには何にもないんですね。認知症を癒すと言われている家族の写真も無い。ナースコールさえないんです。ひとは皆、幸せになりたいですよね。認知症だから部屋に鍵をかけられて閉じ込められても良いんでしょうか?

 認知症になったら不幸せが当たり前なんでしょうか? 人の幸せは、憲法13条の幸福追求権で保障されてるんですよ。

 人は、二十歳までは親権に守られて育ちます。二十歳を過ぎると、自分の生活を自分でするという行動規準を獲得していきます。そして、この行動規準にしたがって生きることが幸せなんです。これを「自己決定権」と言います。

 うちのグループホームの入居条件に「本人の承諾が得られること」とありますが、これが自己決定権を大切にすることなんです。自己決定権を大切にする為に成年後見制度があるんです。どんなに精神的、肉体的レベルが落ちても自分で決める権利がある。大切なことですね。

 あるお医者さんが認知症を「一人では生きていけない人」と定義しました。そのとうりです。だから周りがフォローしなくてはいけない。しかし人は、自分もその道を歩むことを考えないんです。

 ある時電車で子供たちが騒いでいました。お年寄りが注意すると「なんだ!ばばあ!」と罵詈雑言をはきます。そのお年寄りは「私の姿はあなたがたの未来の姿だよ!」と諭し、子供たちはすごすごと電車を降りていったそうです。

 そう、お年寄りは私たちの未来の姿なんです。

2.サービスの概念とサービスの利用を考える

 サービスの起源はSelvus(奴隷)なんです。最初厚生省はTreatment(処置)と言っていましたが、最近ではサービスになりました。

 奴隷は人間としての全てを捨てて、主人に仕えます。そこで、Selvus→Slave→Service、、、となるんです。でもただ仕えるのではなく、コミニュケーションが必要です。

 介護保険になって、施設のどこが変わったでしょう。何も変わってませんね。お金の出所が変わっただけです。サービスの意味をもう一度考えてみても良いのではないでしょうか?


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