▼認知症の介護理念1
三重県鈴鹿市
グループホーム「北さんち」
北正美
問題行動を起こす理由は介護側が作っている
認知症の方を介護するために一番大切なことは「認知症は病気である」いう思い込みから解放されることです。
認知症は、脳の器質的な変成で起きるもので、コミニケーション障害が伴うので日常生活に不自由ができてしまいます。これはご本人にとってはとても不安なことです。
ですから、認知症の方は「不安を抱えながら生きている人」なのであって、病気の人だという意識は捨てるべきです。
介護する側が病院に行って問題行動を先生に訴え、精神薬をもらってきて投与していては、その人らしさをだんだん失っていく悪循環しか招きません。
必要なことは、認知症の方がコミニケーションをきちんとれて、不自由を不自由と感じないような環境を整えることです。そうすれば認知症の方は不安を感じることがないので、問題行動を起こさなくなります。
そしてもともとその人が持っていたその人らしさがだんだん回復してきます。
認知症の人たちは、私たちから見れば不可解な行動をとることがありますが、そのような不可解な行動をとるには、必ずその方にとっての理由があるのです。そしてその理由を作っているのは介護する側の私たちなのです。問題行動を起こす理由は介護する側が作っているわけですから、それを消していけば良いだけなのです。
認知症の方の気持ちに寄り添う
もうひとつ大切なことは、認知症の方の気持ちに寄り添うことです。
介護する側の腰が引けてしまっていては、ただでさえコミュニケーションがとりにくいのに、ますます意思が通じなくなってしまいます。
介護者が寄り添うことによって、認知症の方のお気持ちがよりよくわかるようになります。お気持ちがわかってコミニケーションがとれれば、その人が起こしていた問題行動が少しずつ消え去っていくのです。
これこそが、認知症の方の介護の基本だと思います。
これは外国や日本で開発されてきた介護方法を私なりに研究したもので、北さんちではこの介護理念が実践されています。
私には、「この人は今ここで歌を歌うと笑顔になるな」とか、「このようにすればこの人は外へ出ていかなくなるな」といったことがわかります。
職員の人に、そうやってごらんと言って、実際にやってみるとうまく行きます。北さんちでは、理屈抜きにこの介護理念が実践されているわけです。薬を使う必要はないのです。
これによって利用者の方の状態も改善しますし、ご家族も施設に来やすくなります。
「心からの笑顔」の力
介護の現場では、笑顔がとても大切です。笑顔は相手の前頭葉に働きかけます。前頭葉は、感情や理性をコントロールするばかりでなく、人間の脳全体の司令塔だと考えられています。
そして「笑顔」は、前頭葉に最も働きかけることができます。ですから認知症の人に限らず、全人類に対して一番良い働きかけができるのは、心からの笑顔なのです。
心から、私はあなたのことを思っていますと言う笑顔で人に接すると、相手の前頭葉からセロトニンという神経伝達物質が出てきて、「心地よい」という感情が出てきます。すると、さっきまで「ものを盗られた」とか、「モノがなくなった」とイライラしていた気持ちがすーっと消えてます。それを日常的に繰り返していけば、もの盗られ妄想といった困った問題行動も完全に消えていくわけです。
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